鋳造とは、金属を融点より高い温度で溶かして、作りたいものと同じ形状の空洞を持つ型(鋳型)に流しこみ冷やし固める加工法です。
■ 形状の自由度
鋳造の最大の特徴は、溶融金属を用いた加工法。切削などの他の加工法に比べ、形状の自由度が高く様々な形に対応できます。
■ 大きさの自由度
アクセサリーや機械内部部品のような小型の鋳物から、大仏のような大型鋳物が生産できます。
材料の自由度 アルミニウム合金、銅合金、すず、金、鋳鉄、鋳鋼など、溶かすことができればほとんどの金属・合金が鋳造可能です。
■ 生産数の自由度
鋳造法の種類により、1個から数百万個、数千万個それ以上も製品を鋳造することができます。
優れたリサイクル性 鋳物の廃品は溶解して再び鋳造することができます。原料にもスクラップなどを使用することができます。
注意点
■ 未充填の発生
鋳型内を流動中に溶湯の温度が低下して充填し切れず充填不足(未充填)を発生することがあります。(穴が空いてしまう)
■ ひけ巣の発生
溶湯が鋳型内で凝固する際に、体積が減少(凝固収縮)し、鋳物内部に空洞(ひけ巣)が発生することがあります。
■ ひずみの発生
凝固後から室温まで冷却される間に、金属の熱収縮によって寸法が変化します。また、冷却が均一に行われないと熱応力によって製品形状に変形が生じることがあります。
金型鋳造は、金属製の鋳型を作り(金型)その空洞部分(製品になる部分)に流し込んで鋳物を作る方法です。
砂型鋳造は上下2個また数個の型枠(鋳枠)を使い、その枠を用いて型込めし、これを組み合わせて鋳型を作ります。砂型の種類には、生砂型・自硬性鋳型・ガス硬化性鋳型・熱硬化性鋳型があります。この型に溶解した金属を流し込み、冷やし固めて鋳物を作る方法です。
ロストワックス法は、模型をワックス(蝋:ろう)やポリスレン樹脂などで作ります。これをワックス模型(パターン)と言い、セラミックスの粉をコーティングしたら、鋳型を加熱してワックスを溶かし出します。ワックスを除去した鋳型に溶湯を流し込み鋳物を作る方法です。